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絵本 読み聞かせ旅日記 No.229
 
栃木県 小山市・栃木市 県南体育館・大平少年自然の家・老人福祉センター長寿園

日付
2011年4月3日(日)
2011年4月4日(月)
旅先
栃木県 小山市
栃木県 栃木市
会場
県南体育館
大平少年自然の家
老人福祉センター長寿園
著者
志茂田景樹隊長

栃木県 小山市・栃木市 県南体育館・大平少年自然の家・老人福祉センター長寿園

 
 
  この度の東北、関東、太平洋沖地震で被災された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。
また亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

「よい子に読み聞かせ隊」が結成されたのは1999年8月のことでした。
それから半年あまりの後の2000年3月、兵庫県の西宮市立瓦林小学校から読み聞かせ&講演の依頼がありました。
「在校児童の多くは5年前の阪神大震災を乳幼児、幼稚園、保育園児で体験しています。今でも夜中に悲鳴を上げて飛び起きたり、地震でない揺れにも怯えて抱きついてくる子供が少なくありません。絵本の読み聞かせで子供達の心の傷を少しでも和らげることができたら嬉しいと思います」
そのような趣旨でお声がかかったのでした。

詳細は略しますが、このときの催しは「よい子に読み聞かせ隊」にとってもエポックを画す成功をおさめました。
体育館には全校児童、教職員の方々、PTAの方々のほか、地域の人たちも多数集まり、終了後、行われた絵本のサイン会には親子の長蛇の列ができ、夜になっても途切れなかったほどでした。
絵本の読み聞かせに傷ついた心を癒す大きな力があったことが、子供達の、そして、大人の感性をも揺るがせたのだと思いました。
このとき以来、「よい子に読み聞かせ隊」は、命が何よりも尊いということと、生きることがどんなに素晴らしいことかの2点を、今の子供達に絵本の読み聞かせで得られる感動を通してしっかり伝えていくことに意を注ぐようになりました。
これまで通常の読み聞かせや、講演活動とは別に、中越地震、玄界島地震の避難所や、豪雪災害の被災地などの各地を慰問で訪れましたが、そのことは一貫して変わらない「よい子に読み聞かせ隊」の方針とテーマになっています。
今回の大震災では阪神大震災をはるかに上回る被災者の方々が全国各地の避難しました。
被災者にとって、とくに子どもの被災者にとって、また高齢の被災者にとってライフラインがしっかり確保されてからは、心のケアが大事になってきます。
そのささやかな一助になれば、と第1回「よい子に読み聞かせ隊読み聞かせボランティア・避難所巡り」を4月3日、4日の両日に実施させていただきました。
巡るところは栃木県小山市の県南体育館、栃木市の太平少年自然の家と老人福祉センター・長寿園の合わせて3箇所でした。
この3箇所とも原発事故災害による被災者が殆どで、家屋が倒壊したり、津波に流されして、九死に一生を得た方々も多かった被災者と被災の質が違います。
九死に一生を得た人たちが味わった恐怖は想像を絶するものだったと思います。
その恐怖は過去のものになったと言っても、心に長く残るでしょうし、これから生きていくうえでさまざまな不安を抱えていかなければなりません。
それを思うと心が痛みます。
原発事故災害による被災者は家屋倒壊、津波襲来などでの恐怖はを味わうことはなかったのですが、放射能という目に見えないものに対する得体の知れない恐怖、
それに将来、放射能被爆による健康的な影響が出るかもしれないという漠然とした恐怖を抱えていかなければなりません。
これがもたらす精神的不安は大変深刻なものがあると思います。
医学的科学的に将来も心配ないというはっきりした根拠が提示されればいいのですが、現段階では不明瞭です。
このような不安の中で、大人以上に子供は心を痛めているかもしれません。
よい子に読み聞かせ隊」は、みんなと一緒に楽しみたいんだよ、みんなの仲間に入れてよ、といった感じで子供の中に入っていくことをいつも心がけています。
そのことさえも意識せずに子供達に溶け込んでいる、いや、子供達から遊ばれている。こういう状態はピーターパン症候群気味の僕にとっては最高の状態です。
このとき、子供は知らず心を癒すことができるのだ、と僕は確信しています。
最初の日、午後1時に現地集合で臨みましたが、避難所の県南体育館の規模の大きさには圧倒されました。
ここには当初、180人近い避難者がいましたが、訪れた時点では81人でした。
畳の柔道場に寝泊りし、シャワーは10基以上が自由に使え、大風呂は随時入浴でき、近くの思川温泉にも招待されて、かなり恵まれた避難生活のようでした。
僕らが着いたとき、広大な室内競技場で数人の男の子がのびのびと野球をやっていました。
「子供達と一体になる」はフルートの永井由比さん、バイオリンの山内達哉さん、チェロの井尻兼人さんによるミニコンサートの中で実現しました。
なにしろドンドコと楽器が子供達の中に入っていくのですから、子供達にはたまりません。曲当てクイズではバイオリンのあとを継いだフルートが紛らわしい別の曲を吹奏し、みんなエエッ、エエッ、でした。
速成楽器教授もやって、1分でチェロが弾けて体験した子供は大はしゃぎでした。
高野節子さんが紙芝居と手踊りを、僕が語りと大型絵本をやらせていただきましたが、10人前後いた高齢の方々も子供に立ち還って大はしゃぎでした。
2月22日に生まれた赤ちゃんを抱いて郡山から避難してきた年若いお母さんは、この子を抱いてくれますか、写真を撮らせてください、と僕に赤ちゃんを抱かせて、嬉しそうに、パチリ、とケータイを鳴らしました。
「10年後に会おうなあ、きっとだぜ」
僕は心の中で赤ちゃんに強く語りかけました。
2日目最初は栃木市にある太平少年自然の家でした。小人数でしたが、家庭で行う読み聞かせ会のようで、実際、きょうだい同士、いとこ同士が多かったです。
名勝太平山の頂上近くにあり、自然環境は抜群です。
頂上の茶店の名物は団子と卵焼き。みんな、ここにいる間に食べてご覧よ。
ああ、先に頂上に行って買ってきてあげればよかったな。
高野節子さんの動物当て紙芝居のとき、子供達は大声で答えを言って喜んでいました。このときは僕も子供達の中に入って答えたのですが、間違えました。
恐竜が出てくるんですもん、今いる動物ばかりだと思っていたので当たりません。
でも。これは悪しき先入観でした(笑)
この日2箇所目は同じ栃木市で住宅地にある老人福祉センター・長寿園でした。
ここの子供は小学高学年が多かったですね。南相馬市から避難してきた子供が多かったようです。
「ルパン三世」に出てくる石川五エ門が刀を抜くときの音を永井さんがフルートで表現しました。そのとき、二人の男の子に刀を抜く真似をさせたのですが、刀を抜く音にずっこけていました。
トリは僕が大型絵本の「お化けのてんぷら」をやりましたが、正午近くでやりながらおなかが空いてきてしたがありませんでした。
子供達はもっと空かせていたでしょうね。

さようなら、みんな。また会う日まで元気でな。
そのとき、みんなは大きくなってしまって解らないから、そっちから声をかけてくれよ。
この頭のまんまだから。
避難所巡りは随時、避難所がある限り続けます。
これからも旅日記をよろしくね。

「よい子に読み聞かせ隊」隊長 志茂田景樹

栃木県 小山市・栃木市 県南体育館・大平少年自然の家・老人福祉センター長寿園

栃木県 小山市・栃木市 県南体育館・大平少年自然の家・老人福祉センター長寿園

 
 
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