リンリン、 今日は今のところ、 このおれんちにいる人間は、 お前一人だ、 アキラは休日出勤している、 研究所の技術者もみんな休んでいるのに、 静かで研究がはかどると出かけていったのだよ、 マジ過ぎ男だよ、ったく、 ラメコもショッピングに出たが、 ただのショッピングかどうか怪しいものだ、 お前のお母さんだけど、 年下の彼氏がいるからねえ、 コノエは留守番を頼まれたのに、 ちょっと、と言ってコンビニへ行ったねえ、 最近、コンビニで、 マンガを立ち読みすることを覚えた、 2時間近くは3歳のお前が1人で留守番をすることになる、 こんなとき、 通り魔的に強盗でも入ったらどうするんだろう、 リンリン、 おれは猫だから、 助けられないよ、 道へ飛び出して、 助けて助けて、強盗です! と喚くわけにもいかぬだろう、 そんなことをしたら、 おれの周りに人だかりがする、 あげくに警察に持ってかれるだろうよ、 だから、人間関係には関わらないことにしている、 ところで、 何だか近頃、 空気がうまい、 原発稼働ゼロのせいだろうか、 ゼロでも電気にはことかかない、 だから、その気になれば、 ゼロにできる、 利権のしがらみを断つだけでいいのだから、 保守系の元首相が原発ゼロを唱え始めたな、 たとえパフーマンすでも、 貴いことではないか、 お遍路巡りよりはるかに価値が高い、 郵政改革のときのように、 声高にワンパターンで唱えてほしいところだ、 そうして原発ゼロの気運を作る、 気運ができて流れが生まれれば、 東京五輪まで7年ある、 国民の総意となれば、 それまでに原発ゼロは充分可能だろう、 そのとき10歳のお前は、 開会式に行くことになれば、 日の丸や、参加国の国旗とともに、 へんぽんと翻る「原発ゼロ達成!」の旗印を、 仰ぎ見ることになるだろう、 それだけで素晴らしいオリンピックになるのだよ、 日本人のためにも、 全人類のためにも、 地球の全生命のためにも、 2020を日本の原発ゼロ年にして、 世界の原発ゼロのスタートの年にしてほしい。