浅間山大噴火で八ッ場ダムは崩壊する〜昨日の朝日 /ブログ/読み聞かせ劇場

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.196 2011年12月26日 掲載分
 


浅間山大噴火で八ッ場ダムは崩壊する〜
昨日の朝日・声欄に載った投書は卓見ではないか

  この投書の主は70歳の男性、
八ッ場ダムの建設再開に、
次の理由で反対している、

1783(天明3)年、
浅間山が大噴火し、
土石なだれが鎌原村(現群馬県嬬恋村)を埋没させ、
吾妻川に流入して泥流になった、
火口から直線で約20キロ離れた八ッ場には、
波高50メートルを超す泥流が、
時速約70キロで押し寄せた、
下流域も含め約1500人が犠牲になった、
ダム完成後に湖岸となる場所は、
2万4千年前の巨大噴火の、
堆積物でできている、
天明クラスの大噴火が起きれば、
大量の泥流がダム湖岸の、
地すべりを誘発し、
一気にダムに押し寄せ、
ダム本体が決壊する怖れも、
指摘されている。

なるほど、とうなずける意見だ。
今回の震災でも、
万里の長城と頼りにされた大防波堤が、
大津波にいとも簡単に、
乗り越えられている、
自然の猛威はそれに逆らわず、
在るがままの自然の防御力を利用し、
被害を最小限に食い止める工夫で、
受け止めるのが最善である。
旧鎌原村は鎌原宿の呼称で知られた、
北国街道の脇往還である、
信州街道の宿駅の1つだった、
天明の大噴火が起きる直前まで、
約570人の宿の人々は、
慎ましくも生き生きと暮らしていた、
大噴火は火砕流を発生させ、
それは土石なだれを合わせながら、
鎌原宿を呑み込んだ、
宿外れの小高い山の頂上に立つ、
鎌原観音に逃れた数十人のみが、
命を拾っている、
10数年前、小説の取材で、
この鎌原観音堂を訪れたが、
鎌原宿の跡地とあまり標高差はなかった、
土石流に埋没しているので、
実際の鎌原宿はもっと低いところにあった、
麓から高い石段が続いていたらしく、
埋没した部分の石段の発掘調査で、
あと何段か上れば助かったはずの、
親子の遺体がミイラ状態で、
発見されている、
子を背負ったままの姿で、
哀れを誘ったという、
八ッ場ダムの再開是非の論議に、
天明クラスの大噴火を想定したものが、
なかったことが悲しい、
イメージが貧困と云うより、
目先の損得だけで目の色を変え、
子孫のことに考えが及ばない、
国敗れて山河荒れたり、
につながるあさま(浅間)しさ、
と言うほかない。

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