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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.54

 

カイ君の同類は苦難の道を行く8


  ほどなく、青髭先生は石段の参道をママチャリを引きながら上がってきた。
ママチャリの荷台は籠を据えつけて中型犬ぐらいまでなら乗せて運べるようになっている。
「あなた、ここここ!」
青髭の奥さんが北海道犬を指差して叫んだ。
「おう」
青髭先生は鐘楼の下までの20メートル足らずをママチャリに乗ってやってきた。
ママチャリを止めて、どれどれ、と北海道犬を覗き込む。
「うむ。先日、亡くなられた後藤さんのところのカン君じゃないか。どうしたどうした?」
青髭先生は屈んで北海道犬の頭に掌をあてて、
「うむ、こらいかん。高熱が出ている。きみがたまたま寺参りにきたからよかったようなものの、誰にも気がつかれず、ここであと二時間もしたらあの世行きだったろう」
と、大声で言った。
地声であろう。
「何の病気?」
「肺炎よ。体力を消耗しているな。ごりごりしている」
青髭先生は掌で北海道犬のあばら骨をなでまわし、その感触を楽しむかのように目を細めた。
「それに、精神を病んでいる。飼い主に死なれてオーナーロス症候群にかかっているようだ」
「そんな病気、あるんですか?」
「ある。吾輩が発見して命名した」
ニャホン、とワガハイは大きく咳払いをした。
ワガハイ以外にワガハイという一人称を使ってもらいたくない。たとえ、吾輩であったとしてもだ。
「とにかく、早く手当てしてやろう」
青髭先生は青くカラーリングした顎鬚をしごいた後、カン君という名の北海道犬を抱き上げ、荷台に据えつけた籠に入れた。
「先生、お願いします」
大家が声をかけたが、むろん、青髭先生には猫が妙な声で鳴いたとしか思えなかったろう。
ところが、青髭先生は大家を見下ろして、
「わかったわかった」
と、2度うなずいたものである。
「おや、お前さんは商店街のハタムラの老いぼれさんかい。何匹も集まって何しとるんだね?」
「まあ、談合で」
大家はそっぽを向いていったが、今度は通じなかった。
「まっ、お前さんはもう年なんだから夜更かしはするなよ」
青髭はママチャリを引いて参道口へ向かった。
「ああ、私もお墓参りをしなきゃ」
青髭の奥さんも墓地に向かった。
(続く)

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