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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.50

 

カイ君の同類は苦難の道を行く4


  ゴクリ、とお湯割を飲んで、沙苦里はその湯飲みを置いた。
これから野見島が話すことはネタになるぞ、と直感したものらしい。
週刊文潮の「猫の目人の目」の締め切りは来週の火曜日で、ブログに連載している
「ユダの復活」もそろそろ更新しなければならない。
「昨日、可愛がっていた北海道犬の一周忌の供養にきた檀家の話では、ブログに北海道犬を譲渡してほしいと出したところ、アクセスがくるわくるわで、いっとき炎上寸前だったそうですよ。恐れをなして、もう決まりました、と急遽、ブログを更新したとかで、北海道犬のブームも急下降で去りつつあるようだ、と苦笑していましたな」
「ふーむ。カイ君のCMはまだ続いているでしょう?」
沙苦里小首を傾げて腕組みした。
吾輩もつい釣られて坐りなおし、右の前足を左の前足に重ねた。
われわれの間では、カイ君が登場するテレビCMに冷ややかな視線を向けるものが多い。
それは人間のお父さんを犬視して虚仮にしているように感じるからで、白い北海道犬のカイ君自体を冷ややかに見ているわけではない。
「あれを見て人間の働き盛りのお父さん方はなんとも思わないのだろうか。平成の人間の父親の地位は、われわれが想像する以上に低下していると見ていいだろう」
いつだったか、電器店のショーウインドウのテレビにたまたま流れたそのCMを見て、大家がわがことのように嘆息した。
ハタムラの主人は恐妻家で、吾輩は夜明けの商店街をその恐妻に追われて必死に逃げる姿を見たことがある。
「でも、蘭子が言うには仕事よりも家事や、育児に協力する夫の株が上がっているらしいわよ」
通りかかって足を止めたソンギリが口を挟んだ。
「それは父親の地位の向上ではないだろう。むしろ、世の人間のお父さんが権威をなくし、草食系になり、マゾヒスト的傾向が強くなったことを表している」
その論争は電器店の店員が、
「お前ら、邪魔だ邪魔だ!」
と、われわれを追い立てたので、それっきりになっている。
「カイ君は今や動物タレントのスターですよ。北海道犬のブームが去ろうが去るまいが関係ありませんな。今朝、北海道犬の子犬3匹の死体を持ち込んで供養してくれ、と言った中年女がいましてね。私は3匹の死体を一目見てお断り申し上げました」
「ほう、なぜです?」
沙苦里が身を乗り出した。
吾輩も首を野見島のいるほうへ伸ばした。
(続く)

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