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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.48

 

カイ君の同類は苦難の道を行く2


  野見島久衛門はあっけにとられた。
「野見島さん、逆さまのお考えはいけません」
「えっ、逆立ちして何を言われる?」
野見島は逆立ちで2,3歩後退し、また2,3歩前進した沙苦里に薄気味悪いものを覚えたのか、声がかすれていた。
「初めに堕胎ありきは順序が逆で、人の倫にも反します。妊娠したらどのように産むかを考えるべきです」
「いや、その、産んだところで、うちの馬鹿息子はまだ14歳でして・・・」
野見島は額に汗を浮かして、しどろもどろになった。
「別にお宅のご子息と所帯を持たせようとは思っていませんよ。なにしろ、三方丸くおさまる名案がありますんで」
「三方?夏目先生、逆立ちをやめて詳しくお話願えませんか?」
野見島は懐からハンカチを出し、額の汗を拭って懇願した。
弥ッ、という掛け声もろとも、沙苦里は両手に力をこめ、跳ねて半回転し、すくっと立った。
小太り体型で、運動神経も鈍そうなのに逆立ちと、それに伴う動作は俊敏に行う。
ところで、吾輩には沙苦里が、三方丸く、と言った意味が解っている。
実は冬鼻家との間で、金髪フグに生まれる子を冬鼻夫婦の実子にするプロジェクトが進行している。
冬鼻夫婦は来月より1ヵ年、スイスに長期滞在する。香久弥はスイスで充電し、執筆もする夫の面倒を見るため、テレビのリポーターをやめる。
金髪フグはなるべくお腹が目立たないファッションで過ごし、8ヶ月に入ったらヨーロッパ旅行を口実に休学届けを出し、スイスで出産し、子はすぐに冬鼻夫婦に引き渡す。
そして、すぐに帰国する。
冬鼻夫婦はその子が、3ヶ月目に入ったら帰国し、向こうで妊娠が解り、出産しましたと公表する。
それが夏目、野見島、冬鼻の三家、つまり三方が丸くおさまるというプロジェクトだった。
「なるほど、それは名案ですな。いやいや、夏目、冬鼻の両先生には大変なご迷惑をおかけすることになりまして、なんともはや」
沙苦里から話を聞いて大きくうなずくと、野見島はテーブルに額をこすりつけんばかりに頭を下げた。
「それで、この件については三家とも一切秘密を守り、口外無用のこと。沙乃はむろんですが、お宅のご子息にもくれぐれも口外せぬよう口止めを願いたい」
「それは、むろんです」
「この件に関しては、あとで三家で誓約書を交わしたいと思っております」
「まったく異存はございません」
「もう一つ、誓約していただく事柄があります」
「なん・・ですか?」
野見島は不安げに沙苦里をすくい見た。
(続く)

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