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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.47

 

カイ君の同類は苦難の道を行く1


  祭囃子が聞こえる。
吾輩は耳をぴくりと震わせた。
祭囃子に反応してではなく、来客の言葉に反応してのことである。
今、吾輩は沙苦里の事務所にいる。
沙苦里は、来客の言葉を聞きながら、ときどき、軽く咳払いをしている。
「もう一度、結論として言わせていただくと、お宅のお嬢さんがわが息子の子を産むのは、絶対、受け入れがたいということです。ですから、堕胎していただきたいと」
ホンホン、ホン。
沙苦里は軽い咳払いを連発した。
動揺しているわけではなく、むしろ、余裕の咳払いで、平然としている。
今日は9月18日。麻布氷川神社の宵宮で、麻布十番は朝から華やいだ雰囲気に包まれている。
8月の納涼祭りのようにただただ人波が寄せてきて喧騒を持ち込むのと違い、地元の人間と、本物の祭りをゆっくりと堪能したい人が訪れ、そこかしこで交歓する。
吾輩はこの秋祭りが好きである。夜はモンちゃんほか有志たちとそぞろ歩きを楽しむことになっている。
ところで、来客は宇宙久遠寺の管長の野見島久衛門で、話し合いにきている。
初めは談判にきているようで、年端もいかないわが息子を沙乃が誘惑した、親としての責任をどうとるか、と強硬だった。
頭を丸め、でっぷりした体を僧衣に包み、芝居の河内山宗俊を髣髴とさせ、凄みも感じられた。
しかし、野見島は沙苦里の人間性を知らない。
鈍感というか、ずれているというか、脅しすかしには強いのである。
野見山は沙苦里の軽い咳払いに大分、調子を崩され、口調がやや哀願調になってきている。
それに、金髪フグの妊娠騒動は意外な展開を見せ、沙苦里はその展開に満足しているから、何を言われようと動じないのである。
「ご存念をお聞かせいただきたい」
「はい、只今」
沙苦里はソファーから離れると、いきなり逆立ちした。
(続く)

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 
 

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