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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.40

 

問答無用の秋祭り16


  ソンギリは毛づくろいを終えてあくびをした。
その右奥歯に虫歯があるのを、吾輩は見逃さなかった。
蘭子は元祖マヨラーで、ソンギリによれば小学生のときからマヨネーズ1本をランドセルに入れ、給食のとき、パンにも麺にも、おかずにもマヨネーズをどろどろかけてから食べたらしい。
酔うと、その話を得意げにして、
「ね、ソンギリ、わかるでしょ、あなたの食事にもいつもマヨネーズをかけてあげているのは、あなたにいつまでも美しい三毛ちゃんでいてもらいたいためよ」
と、恩着せがましく言うらしい。
チョコレートも大好きで、ソンギリにも食べさせるという。
蘭子はとっくに糖尿病と診断されているが、なに、1日に1枚ぐらい平気平気、と呟きながら、葉書大で、厚みは2センチほどもありそうな特大の板チョコをあっという間に平らげるのだ、とソンギリがあきれたように話したことがある。
「ソンギリよ、虫歯ができているぞ。蘭子につきあってチョコレートは食べないほうがいいぞ」
「どろどろに溶かしてマヨネーズと一緒にキャットフードにかけるんだもの。ついつい」
「味を占めたんじゃないのか。油断していると、トトロみたいになっちゃうぞ」
吾輩は脅しておいてから、
「実はな、きみの気持ちを聞きたいんだ」
と、おもむろに切り出した。
「えっ、どんな気持ち? まさか、拾麿さん、私にプロポーズする気? だったら、お門違いよ。私、拾麿さん、タイプじゃないから」
よせやい、と我輩は破顔一笑しそうになった。
誰が糖尿病予備軍の虫歯の年増猫にプロポーズするか。吾輩はモンちゃんしか念頭にない。
「実は言い難いんだが、頼まれてきみの気持ちを確かめたいんだ」
吾輩とて、これは言い難い。
相手はアライグマで、猫族とは本質的に種が違う。
馬鹿にしないでよ、とソンギリは怒り出すかもしれない。
「誰の頼み?」
ソンギリの目は期待にピカピカ輝き出した。
「弁天丸だよ。きみさえよかったら、結婚したいらしい」
「えっ、弁天丸さん!」
ソンギリの顔が引き攣った。
そら、言わんこっちゃない、と吾輩はうつむきながら、
「むろん、断ってもいいんだよ」
と、なだめるように言った。
「うれしいわ、私、前々から、あの方のこと、男らしいとあこがれていたの」
「え・・」
吾輩は言葉を失った。
(続く)

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 
 

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