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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.37

 

問答無用の秋祭り13


  元麻布プラトンレジデンスには、1号棟と2号棟の間に噴水地を中心に置いた、浅い摺り鉢状の円形花壇が設けられている。
8月も下旬だというのに酷暑のやつはますます盛んに居座り、花壇の花もアマリリス、サルビアなど数種が辛そうに日差しに打たれているのみである。
しかし、一番外側に半周分ほど植えられているキョウチクトウはうんざりもせず、濃い色の葉を日に照り映えさせてた。
もっとも、それは日中の話で、午後8時を回った今は数基配置されている花壇専用の常夜灯に花たちも鮮やかな色彩を誇っている。
夕暮れに石舟しずみがホースで盛大に水をまいたせいもある。
モンちゃんを励ます会は午後8時半から始まる。
キョウチクトウは冬の花壇の風除けも兼ねているため、2列に植えられている。
その間で北東に当たるところを会場にしている。
吾輩は8時前から会場に入って待機していた。
「やあ、こんばんわ」
と、最初に入ってきたのはタンザニア産のコーヒーの匂いを濃く漂わせたキーオだった。
ペルシャ猫で、見栄えがよく、本人もイケメンを気取っている。
「念入りに匂いをつけてきたもんだな」
「ああ、飼い主がコーヒーで匂い袋を作って磨いてくれるんでな。モンちゃんはコーヒーの匂いが好きだから、ニャゴニャゴ甘えて時間をかけて磨いてもらったよ」
「そりゃよかった」
吾輩は憮然としてうなずいた。
キーオはモンちゃんの歓心を買おうとしている、とぴんときたからである。
「ようようよう、よう」
と、首を振り振り、ゲゲ、ゲゲと下品に笑いながら、フーテンのノラが入ってきた。
「おう、この中は少し涼しいじゃないか。助かるぜよ」
フーテンのノラは坐ると、左前足で首筋をしゃかしゃか引っ掻いた。
毛が散り、爪に弾かれてノミまで飛んできた。
吾輩は慌てて首をひねった。
噴水池のすぐ回りにあるベンチの一つに、カップルが腰を下ろした。
男は60過ぎ、女は30代前半である。
男は恐ろしく背が高く、ガリガリにやせている。ベンチにかけても、際立って座高が高い。
女は小柄で丸っこい体をしている。
このカップルは午後5時頃、夏目家は来た客で、このすぐ近くに住んでいる。
夫婦で、夫は冬鼻次郎と言って、恋愛小説や、ポルノ小説を書いている。
割と売れているが、なにしろ身長2メートル6センチもあって、綽名がスカイツリー。
小説家では世界一ノッポとされており、ギネスブックにもちゃんと載っている。
妻は香久弥という名で、テレビの突撃レポーターをやっている。
この夫婦がやってきて10分もしないうちに沙苦里も帰宅し、先程まで夕食会をやっていた。
水も打ったし、噴水地の周りは涼しいので、酔いを醒ましていく気になったのかも知れぬ。
「どうするかね。来年、生まれる沙乃ちゃんの子を貰ってくれ、という話だけど」
吾輩はとたんに耳をピシッと立てた。
〈続く〉

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 
 

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