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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.32

 

問答無用の秋祭り8


  綾が起きだしたので吾輩はダイニングテーブルの椅子からソファーに移り、
あらためて寝なおした。
吾輩ら猫族は昼夜を問わずよく寝る種だ、とわがことながら思うことがある。
人間と同居すれば餌は人間が供するのが古来からのしきたりである。
昔はネズミを捕って人間に多少の義理を果たしたが、昨今はネズミもあまり見かけぬゆえ、また、人間が供する餌が充分で餌の足しにすることもなきゆえ、ネズミ捕りする猫はおらぬ。
吾輩はネズミなるものを食べたことがないが、若い頃、その腿肉を食べたという大家の言によれば、あれほどまずい肉はなく、まだカラスの手羽先肉のほうが増しだろうとのことである。
とにかく、吾輩のような身の上は野良猫のように餌漁りの必要もなく、ぺトミンのように飼い主にいじくり回されることもない。必然的に、寝ることが多くなる。
ところで、吾輩がソファーに移った直後、金髪フグが帰宅し、すぐにトイレに入ってゲエゲエ始めた。
吾輩は金髪フグがどのように妊娠疑惑の説明責任をはたすものか、とそれを楽しみにソファーでの眠りに入った。
そして、沙苦里と綾の朝食の最中に目を覚まし、それ以降、ずっと毛づくろいを続けている。
食後のコーヒーの香りがエアコンの起こす空気の流れに乗って漂ってくる。
吾輩は金髪フグの説明責任を今か今かと待っているが、金髪フグは一向に起きだす気配はなく、沙苦里と綾はのどかな会話の真っ最中だった。
「歌人の河野裕子さん、ご存知でしょう?」
「面識はないが、亡くなられたねえ」
「まだ64歳だったんですって。無念だったでしょうね」
「闘病の果てだ。優れた歌を沢山残した人だし、覚悟はできていたろう?」
「たとえば、どんな歌なの?」
「いいかい、ゆっくりいく・・・」
沙苦里は目を閉じ、背筋をぴんと伸ばし、朗々ならぬ、尾羽打ち枯らした浪人が声帯まで打ち枯らしたような声で諳んじ始めた。

朝に見て昼には呼びて夜は触れ
確かをらねば子は消ゆるもの

「ふーん、わかるわあ」
綾は思いつめた表情になってうなずいた。
未明にデーブが告白した出来事のなかで自分がとった行為を思い出したな、と吾輩はぴんときた。
沙苦里は別の歌を諳んじ始めた。
〈続く〉

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