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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.30

 

問答無用の秋祭り6


  吾輩は招き猫の動作を行った。
吾輩相手でもデーブは告白にためらいを覚えている。
早く話しなさいよ、と吾輩は右前足を上げて招いて見せたのである。
「・・・あれは朝、親父に叱られたときだったよ。前の夜にラジコンの蛇を完成させてさ。リビングで試運転させてたのさ。そしたら、寝坊して起きた親父が入ってきて、キャーッって悲鳴上げてさ、立ちすくんだんだ」
デーブはごくりと生唾を飲み込んだ。
沙苦里は蛇が大の苦手である。
このあたりの人間はふだんめったに見かけないので、蛇はいない、と思っている。
しかし、雑草を茂るにまかせた100坪以上の空き地だったら、アオダイショウの1匹ぐらいは必ず潜んでいる。
弁天丸の棲家の元屋敷跡なら数匹は棲息できる。
ただ弁天丸が食い尽くしてしまったので、今はもういないかもしれない。
いつだったか週刊文潮のグラビアに沙苦里が登場することになって、その撮影を
有栖川宮記念公園ですることになった。たまたまそのとき、吾輩は有栖川宮記念公園に遠出していて、その現場を通りかかった。
木で縁取りした土の段々で撮影中で、沙苦里は下方から上がってくる。カメラマンは上方にいてシャッターを切る。
しかし、グラビアの撮影に慣れていない沙苦里はコチコチに固まっていて、何度もNGを出されていた。
何度目かに上がってきたとき、その1メートルほど前を右手の熊笹の繁みから飛び出した1メートルをはるかに超えるアオダイショウがシューッと横切ったのである。
「キャーッ!」
沙苦里は棒のように立ちすくみ、わなわなと震えた直後、どてっと後ろへ倒れた。
シャッターが連続して切られた。
「これいただきます。撮影終了です」
カメラマンの嬉しそうな声が響きわたった。
ちなみに、横切るアオダイショウと立ちすくんでわなわな震える瞬間を捉えたそのときのグラビアはテレビにも紹介されて、沙苦里をはしくれながら有名人の仲間に入れさせる結果になった。
ところで、デーブが開発したラジコンの蛇は夏目家へきてから吾輩も見たが、にょろにょろ蛇行する精巧なものだったから、沙苦里が立ちすくんだのも無理はない。
「まっ、まずいと思ったから、俺、通路へ誘導して親父の目に触れなくしてやったんだ。そのとたん、おんどれーっ、とヒスを起こした叫び声とともに親父は俺に突進したんだ。
俺は体当たりされて壁に吹っ飛んだんだぜ。親父は暴力は嫌いで、それで殴ったり、蹴飛ばさずに体当たりしたんだろうけど、俺はショックだった。だって、暴力には違いないだろ。後にも先にも親父から暴力を振るわれたのはそれが初めてなんだ」
わかるわかる、と吾輩は髭を振った。
「俺、学校休んだんだ。親父も姉貴も大学や、学校へ行って、俺はベッドでふて寝していたんだ。ママが入ってきた。俺は寝たふりをしていた。ママに添い寝して貰いたかったんだよ。ママは下着だけになってね、かわいそうな坊や、添い寝してあげるね、と言いながら俺の隣に横になったんだ。俺、嬉しかった。でも、それまでの添い寝と俺の意識は違っていたんだ。俺は俺の体の一部の反応で、そのことに気づいたんだ・・・」
デーブは息を整えた。
吾輩はゴクリと生唾を飲み込んだ。
〈続く〉

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 
 

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