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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.27

 

問答無用の秋祭り3


  白衣の男はようやく鼾を止めて薄目を開けた金髪フグを抱き起こしながら、立ち上がった。
「ポソンのおばあちゃんか。人聞き悪いことを言わないでくれよ、まったく。それより、家族がなんとかしてくれないかな。徘徊は近所迷惑だし、いつ事故につながるかわからないからな」
まだ立ちすくんで白衣の男をにらんでいるポソンのおばあちゃんの股の間を通り抜けて、
フーテンのノラがこっちにきた。
「どうしたんだよ、おばあちゃんのあとなんかくっついて歩いて?」
吾輩の問いに、フーテンのノラは堰を切ったように話し出した。
「どうしたもこうしたもねえやな。3日間の大混雑の祭りがおわってよ、ようやっと夜更けには飲む店も閉まってふだんの街に戻った。おいら、ほっとして隠れていた善福寺の墓地から棲家の網代公園に帰ろうとしたのよ。そうしたら、ポソンのばあちゃんが参道にふらふら入ってきたのよ。ほっとけもおけねえとあとをつけだしたら、なんとおいらが出てきたばかりの墓地に入っていきやがる。しょうがねえから、おいらもまた入ったさ。おばあちゃんは誰の墓だったかなあ。その前に座り込み、供えてあったワンカップの清酒をとり、ぐいぐい飲みながらお説教を始めたんだよ。お前は早く先立ってほんとうに親不孝だ。お陰でわしゃ拾いっ子の息子にいじめられて、その鬼嫁にゃ蹴飛ばされ・・・まっ、きりがねえから端折るけど、延々と愚痴ってよ」
「おい、ポソンのおやじは拾いっ子なんか?」
弁天丸が口を出した。
「そんなことは聞いたことがないな」
吾輩は首を振った。
「それに亡くなった息子がいるとも、その墓が善福寺にあるとも聞いたことがない」
吾輩は重ねて首を振った。
「ちょいと今、度忘れしたけどよ。あっ、思い出した。その墓は墓じゃねえんだ。越路吹雪の歌碑なんだ。フアンが墓参りのようにきて、花束や、酒などを供えていくんだ」
フーテンのノラはおばあちゃんを見上げて、こう続けた。
「歌碑に抱きつくわ。親不孝者、と叫んでひっぱたくわ。挙句の果てによ、ションベン洩らしやがった」
「お前、変な猫だな」
白衣の男が弁天丸を見下ろした。
「ニャー、ニャー、ニャー」
弁天丸は向きになって鳴いてみせる。
さっきのパトカーが戻ってきた。
停止し、警官が二人出てきた。
「おう、ポソンのおばあちゃん、ここにいたか。ご家族が心配しておりましたぞ。さあ、送ってあげますよ」
さっき吾輩に話しかけた警官がおばあちゃんを抱きかかえたとたん、おばあちゃんは白衣の男を指差して、
「介抱泥!」
と、叫んだ。
「弱ったなあ」
白衣の男は頭をかいて苦笑した。
「俺、ふけるからな」
弁天丸が吾輩に耳打ちして、さっと姿を消した。
「拾麿ちゃん、さあ、お家へ帰りましょうね」
正気に戻った金髪フグが素早く吾輩を抱き上げた。
この場を取り繕う気で、頭はよくないくせして悪知恵だけはくるりと回る。
ニャニャーン、と吾輩は咳払いした。
〈続く〉

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