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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.23

 

可もなく不可もなくでは不満が残る9


  「やあ、兄貴」
弁天丸は吾輩を振り返り、尻尾をぶるんんと振った。
アライグマなだけに、一振りでも迫力に富んでいる。
吾輩は穏やかでない。
何を話していたんだ、と咎める目でモンちゃんを見た。
モンちゃんは金色の目をぱちくりさせた。
「兄貴、ま、ここへどうぞ」
弁天丸は立ち上がって吾輩に坐る場所を譲った。
吾輩は当然のように、そこに坐った。
モンちゃんは居ずまいを正して毛づくろいを始めた。
毛づくろいを欠かさぬモンちゃんの白い毛は光沢があって、眩しいほどである。
でも、今は汚れを落とす毛づくろいではなく、心の動揺を抑えるためではないか、と吾輩は邪推した。
「兄貴、俺、モンちゃんに相談に乗ってもらっていたんだ」
弁天丸が吾輩の斜め背後に腰を下ろしながら、やや照れて言った。
吾輩は弁天丸に視線を移した。
「相談って、なんのだよ?」
「やだな。兄貴、恋の相談に決まってんだろ」
弁天丸はうつむいて、ゲタゲタ笑った。
吾輩は内心で胸を撫で下ろしたが、モンちゃんに視線を戻しながら叱った。
「お前な、モンちゃんはお母さんを亡くして悲嘆のどん底にいるんだ。よりによってそんなややこしい相談を持ち込むな」
そして、ごめんね、と、モンちゃんには謝った。
「ううん、いいのよ。お陰でいい気分転換になったわ」
モンちゃんは毛づくろいをやめた。
「相談の結果、なんてアドバイスしたの?」
「アライグマはネコ目アライグマ科、ネコ目同士ならありかな、って。でも、子供は無理だと思うわ、って」
「モンちゃんよ、ありかな、はいいとして、相手のソンギリの気持ちも確かめなくてはな」
「兄貴、モンちゃんの励ます会までに、俺、告白するよ」
「断られたらどうする?」
吾輩は弁天丸を哀れむように見た。
「さあな、六本木ヒルズから飛び降りるかな」
「おい、われわれに迷惑かけるなよ。猫にはいまだかって自殺したヤツはいないんだ」
吾輩がなおも言い聞かそうと正座に変えたとき、剣村のかすれた大声が轟いた。
「うむ。この猫女人はいい。シリーズでいける。これでいこう」
「そんな大きな声を出して。お隣さんに聞かれたら、ばれてしまうじゃない」
吾輩たち3匹は顔を見合わせた。

〈続く〉

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