可もなく不可もなくでは不満が残る6 パロディ吾輩は猫である2010 志茂田景樹の隊長のブログ作品集|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場|しもだ-かげき|直木賞-児童書-作家

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志茂田景樹の隊長のブログ作品集 No.20

 

可もなく不可もなくでは不満が残る6


  金髪フグが妊娠・・
そう言えば、と吾輩は納得した。
昨日、朝食前にテリトリーの巡回に出た。
一本松坂を上がりかけたところで、大黒坂を上がってくる金髪フグを見た。
吾輩は金髪フグが嫌いなので、気づかぬふりをしようとした。
ところが、金髪フグは目ざとく吾輩に気づくと、
「拾麿ちゃああああーん!」
と、駆け上がってきたのである。
ニャ、と吾輩は舌打ちをした。
「拾麿ちゃん、だっこしてあげる」
吾輩は、いきなり、抱き上げられて鳥肌立った。
近頃の人間連中は素晴らしく気持ちよいときや、感動したときに(鳥肌立つ)を多用するが、本来は気持ち悪くてどうにもならぬときの感情表現である。
万世不変の猫語と違い、人語は世につれて変わるので目くじらは立てぬが、言葉に限らず人間社会の変化は誤用誤解をきっかけに起こるのかもしれぬ。
吾輩は金髪フグの腕から飛び出そうとしたが、待てよ、と思い留まった。
金髪フグが吾輩にちゃんをつけて呼んだり、、抱き上げたりすることはいまだかってなかったことである。
一体、なにゆえかと好奇心を刺激された。
「パパはまだ大学に行く前でしょ。拾麿ちゃんはパパのお気に入りだから」
金髪フグは鼻腔と口から芋焼酎の臭いを盛大に吐きながら、吾輩に頬ずりした。
なんだ、叱られることを軽くすますためのだしに使うつもりか。
「だから、ちょっとの間、つきあってね」
お気に入りという言い方は気に入らぬ。
吾輩は気に入って貰いたいと思ったことはなく、勝手に向こうが気に入っただけだから。
しかし、金髪フグが案じた割には、沙苦里は吾輩も拍子抜けしたほど穏やかに、
「朝帰りするほど飲むと、いつかは体を壊すよ。飲み会の前はウコンの粒をたっぷり服んでおきなさい。飲み終わってからも服むといい。そうだ、お母さんに貰いなさい」
と、言い置いてそそくさと出ていった。
直後に、吾輩はたたきつけるように、床に放り出されていた。
ほんま、性格の悪い小娘じゃ。
そのあと、金髪フグはトイレに駆け込み、長いことゲエゲエやっていた。
吾輩は飲み過ぎのせいかと思ったが、あれはつわり、いや、漢字がいい、悪阻だったのか。「沙乃ちゃん、もう学校?」
「とっく。午前中に出かけたわ」
「ご心配でしょ?」
小竹の声は大きくなった。
「主人が知ったら腰を抜かすわ。私が始めて妊娠したときも腰を抜かしたのよ」
「えっ、ご主人の胤じゃなかったの?」
「まさか。あの人は子供のときお多福風邪をやったの。あれをやると一部の人は大人になっても子種ができなくなるでしょ。宿六さん、自分には子供ができないと思い込んでいたから、妊娠したとわかって、歓喜のあまり腰を抜かしたのよ」
「じゃ、沙乃ちゃんの場合も歓喜するの?」
「今度は驚愕のあまりだと思うわ」
綾はクッ、クッと笑った。
物事を深刻に受けとらないタイプだが、一般常識といくばくかのずれもある。
「相手はどこの誰かしら?」
「そばに立っていたのがお相手なら、せいぜい14,5歳ね」
「ええーっ、そんなに年下!」
「あの子、どこの家の子か、私は知ってるの。向こうは知らないでしょうけど」
「どこの子?」
「驚かないでね」
小竹は大きく一息入れた。

〈続く〉

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