「平成ようかい九十九夜ものがたり」オットクイナ 志茂田景樹の隊長のブログ作品集|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場|しもだ-かげき|直木賞-児童書-作家

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志茂田景樹の隊長のブログ作品集

 

「平成ようかい九十九夜ものがたり」2


オットクイナ

志茂田景樹


志茂田景樹 オットクイナは人にはがまんできない騒音をたべるようかいです。

シチメンチョウぐらいの大きさで、らっぱのようなくちばしをしています。

オットクイナは、ふだんはふせて、あるかないかわからない左右の耳をぴんと立ててあちこちにむけました。

20キロ圏内でおきている好物の騒音を聞きわけることができます。

オットクイナは、左右の耳をぴたりと止めて、

「おう、大好物がさわいでいるぞ!」

と、目をかがやかせました。

パワーショベルが建物をこわし、がれきをブルドーザーがあつめています。

山あいの工事現場ですが、たいへんな騒音です。

すぐ近くに1けんだけ住宅があります。

その窓から男の子が顔をだしていました。

男の子は、べそをかいています。

オットクイナは、その窓のそばにおりたちました。

「きみはなんなの?」

男の子は、はじめて見るへんな鳥に目をまるくしました。

「オットクイナだよ。きみは騒音にこまっているんだろ?」

「うん、もう1ヶ月もつづいている。私立中学の受験勉強ができなくてあせっているんだ」

「よし、おれがこの騒音をたべてやろう。きみのすきな曲を三つあげてくれよ」

「あげて、どうするの?」

「音のうんちだよ」

「音のうんちって?」

「いいから、あげてみて」

男の子は、なにがなんだかわからないままに、すきな曲を三つあげました。

オットクイナは工事現場に体をむけると、らっぱのようなくちばしのさきをさらにひろげました。

そして、大きく大きく息をすいこみました。

工事現場の上にうずがまいて、騒音がどんどんまきこまれていきました。

オットクイナは、それまでよりも、つよく息をすいこみました。

すると、うずにまきこまれた騒音は、スーイ、スーイ、とオットクイナの

くちばしにすいこまれ、騒音はきえてしまいました。

工事現場の人々は、ふしぎそうに空を見あげたり、まわりをきょろきょろ見まわしました。

でも、しばらくして仕事にもどりました。

オットクイナのおしりから、うつくしい音がながれだしました。

AKB48の「ヘビーローテーション」です。

男の子は、聞きほれました。

2曲目は嵐の「Troublemaker」でした。

男の子は、目をとじて、うっとりしました。

三つめはKARAの「ミスター」でした。

男の子は、すやすやねむりだしました。

「さあ、未来のものまでたべたから、これで騒音は受験がおわるまでしないからね。試験、うかってね」

オットクイナは、男の子にやさしく話しかけると、つばさを大きくひろげて飛びたちました。

オットクイナのすがたは、工事現場の人々には見えないのです。

男の子は受験にうかりました。

あたらしくできた友だちに、オットクイナのことを話しましたが、信じてくれませんでした。

「きみはぼくの胸のなかに、いつもいるよね」

ひとりのとき、男の子は、よくつぶやきました。

(おしまい)

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