悲しい場面で笑い出した特養の高齢者たちに生きることの素晴らしさを教えられた。

直木賞・絵本・児童書・作家|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場
直木賞 絵本 児童書 作家|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場 ぞうをクリックして、Web絵本「ぞうのこどもがみたゆめ」をみてね。 ◆みつこおばさま◆ クリックすると、全国読み聞かせ・講演イベントスケジュール集がみれますよ。 ◆志茂田隊長◆ Web絵本読み聞かせ劇場へようこそ。ぼくをクリックすると、プロフィールが見れるよ。 クリックするとトップページに戻るよ。 ぼくをクリックして、Web絵本「ひかりの二じゅうまる」をみてね。 わたしをクリックして「Web絵本」がみれるよ。 直木賞 絵本 児童書 作家|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場 白鳥をクリックして、Web絵本「つきとはくちょうのこ」をみてね。 ぼくをクリックして「Web絵本」がみれるよ。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.387 2015年10月29日掲載分
 

悲しい場面で笑い出した特養の高齢者たちに生きることの素晴らしさを教えられた。

「よい子に読み聞かせ隊」を結成して半年ほどの頃でしたから、
2000年の冬のことだったと思います。
東京都内の特別養護老人ホームを慰問で訪れました。
後に「よい子に読み聞かせ隊」に加わり、
6,7年、中心メンバーとして活躍してくれたK子さんが、
フルートの演奏を挿入してくれることになっていました。
当時、K子さんはまだ高校生でした。
職員の方も合わせて60人前後の人たちが待っていてくれました。
車椅子の人がかなりいました。
フルートの調べに乗せて語りだしました。
僕は絵本によって読むのではなく語りでやることがあります。
利用者の方の多くは初め固い表情でした。
1人2人のその固い表情がほぐれて笑顔になりました。
別の利用者が笑い声を上げました。
車椅子の方々の多くは笑顔になっていました。
僕は大変やりづらい思いになりました。
僕が語っている場面はその物語でいちばん悲しい場面だったからです。
子供たちがこの場面ではよく涙をこぼします。
笑顔になられるはずはない場面でした。
実際に利用者の何人かは涙ぐんでいました。
やりづらいといっても少しいつもと違うぞというぐらいで、
呼吸が乱れるほどではありませんでした。
終わって僕は職員の方に、
「悲しい場面で笑いだした人達がいましたが…」
と尋ねました。
「ああ、あの人たちは痴呆症なんですよ」
当時はまだ認知症という病名は使われていませんでした。
「感情を揺り動かされたんです。読み聞かせは声や色。絵や音楽など、
いろんなもので訴えかけてくれます。特に隊長のファッションは、
痴呆症の人たちの感受性を刺激するんです。笑いながら楽しい思い出や、
懐かしい人の顔などを蘇らせてとても良い気持ちになっているんです。
延命にもつながりますし、私たちきていただいて本当によかった
と喜んでいるんです」
僕は目から鱗が落ちた心地になりました。
以来、特別養護老人ホームなどの施設はかなり訪れましたが、
認知症の人の表情をよく観察するようになりました。
その表情が変化を始めると、
読み聞かせのどこかの何かで心の回路が反応を起こし、
こっちが知らない世界に遊んで精神を豊かに広げているのだ、
と羨ましくなることもありました。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 

もっと詳しく読みたい方はこちらへアクセスしてね!
http://plaza.rakuten.co.jp/odata325juk/diary/

【←ふだん着ブログ一覧に戻る】


Web絵本 (Flash動画)ムービー読み聞かせ絵本・書籍のご購入読み聞かせ旅日記ポプラワールド日記読み聞かせメンバーカゲキ画廊カゲキ隊長のブログ他の出版本お問い合わせ
志茂田景樹のカゲキ画廊 志茂田景樹のTwitter 志茂田景樹 LINEブログはじめました。
志茂田景樹 アメーバブログはじめました。 byAmeba カゲキ隊長のブログ
Copyright© Office Shimoda Kageki 2018 All Rights Reserved.