一人ぼっちの事務所で年賀状を書いています。 ブログ｜志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場｜しもだ-かげき｜直木賞-児童書-作家

　　　　 印刷した賀状に空白地を作っておいて
　　　　 そこに短い文章を入れるんですが、
　　　　 相手によって文章は変えています。

　　　　 でも、この言葉を多く書いていますね。


　　　　 東証の平均株価が１万５千円を
　　　　 割り込みましたね。

　　　　 円高気配は、当分続きそうです。

　　　　 物価がじわじわ上がってきました。

　　　　 そのわりには収入は増えない、という
　　　　 いびつな状態が改善されないと
　　　　 経済的閉塞症状に陥りますね。

　　　　 こんなことをぼんやり考えながら、
　　　　 年賀状を書いていると
　　　　 どうしてもこの言葉が書きたくなりますね。

　　　　 カジルカジル！
　　　　 カジッテカジッテ・・
　　　　 風穴でも、脱出路でもかじりあける、
　　　　 水脈でもかじりあてる。

　　　　 わが身に言い聞かせながら、
　　　　 年賀状を書いているんですが・・

　　　　 なんだかなあ。
　　　　 気張ることもなかろうが。

　　　　 時間が止まったように、
　　　　 静かな寂しい事務所で
　　　　 油性ペンを滑らせる
　　　　 僕の手だけが動いて
　　　　 ごくかすかな摩擦音が
　　　　 僕の鼓膜にあたっては
　　　　 弾けていきます。

　　　　 なんだか・・なあ。

　　　　 波乱のネズミ年なりそうな。