母ちゃん、母の日だって、だから、これ投げるよ、 ブログ|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場|しもだ-かげき|直木賞-児童書-作家

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.164 2011年5月8日 掲載分

 
母ちゃん、母の日だって、だから、これ投げるよ、をしばし偲んだのであります。
母ちゃん、母の日だって、だから、これ投げるよ、

  あの日、宅急便がとどいたんだよ、
会津りんごのジュースが大びんで
10本もつまっていて、
仲間が歓声をあげたもんさ、
毎年、ご恒例だもの、
母ちゃん、じぶんのさとでつくっている
ジュースをわざわざとりよせてさ、
つめなおして、
わざわざわけてやれって職場に
おくってくるんだもん、
そりゃ、みんなあてにするさ、
わけて、どら試飲じゃ、と1本の
せんをぬいたとたんだった、
ぐらりぐらりときて、
前の日も、東北で3ぐらいの地震があったろ、
それでおれ、東北だ、つてぴんときたんだ、
だれかがテレビつけて、
もうなにも手がつかなくなったもんなあ、
おれ、母ちゃんのケータイに
つながらなかったから、
兄ちゃんや、親戚のとこへかたっぱしから
かけまくったんだ、
つながらなかったよ、きれいにすべて、
いてもたってもいられなくってさ、
夕方には東京を出て浜通りへ向かったさ、
むろん、途中で一般道を走り、
渋滞や、交通止めにあいながら、
山道抜け道を迂回迂回して、
ようやく生まれ故郷で母ちゃんのいる
浜の近くで車をすて、
あとは歩こうと思ったけど、
すさまじい光景がぐわーんとひろがってさ、
道なんかがれきでふさがれて、
サーカスみたいにしなきゃ歩けなかった、
おれや兄ちゃんが生まれたうちは、
あとかたもなかったよ、
母ちゃんが働いていたはんぺん工場は
ぺしゃんこにつぶれてさ、
屋根に軽トラックが乗っかってやがんの、
涙もでなかったなあ、
涙がでんのはちっとの余裕なんだって、
ほんと思ったもん、
車に泊まって母ちゃんを探し歩いたよ、
2日たって、おなじように母ちゃんを
探し歩いていた兄ちゃんとばったりあった、
内陸の兄ちゃんの職場とうちは無事だったか、
嫁さんとまだゼロ歳の甥っ子は、
母ちゃんのさとに避難させたって、
ふたりで何日も母ちゃんを探し歩いたけど、
見つかんなかった、
東京へもどるときだぜ、
おれがわんわん泣いたの。
母ちゃん、またきたぜ、
兄ちゃんがアルバムを見つけといてくれたんだ、
これ、小学5年の春休みに母ちゃんのさとへ
行ったときのもんだよね、
子どもの彼岸獅子に、おれ、でたんだっけ、
そうだ、太夫獅子になったんだ、
母ちゃん、やたら写真とりまくっていたっけ、
ごめんな、母ちゃん、まだ迎えにいけなくって、
おれ、考えてみたら親不孝ばっかしだったな、
だから、親孝行しなきゃいけねんだよ、
細腕一つでおれと兄ちゃんをそだてやがって、
親孝行させねえって手はねえだろが、
きっと、迎えにいくからよ、
待ってるんだよ、元気でな、
ただ母の日だから、
白いカーネーションを1本だけ、
波に投げるからさあ、なっ、母ちゃん。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 

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